現在好評発売中の講座「ビル管理試験 最短合格講座」のテキスト「ラクラクわかる!ビル管理試験集中ゼミ(改訂2版)」の著者である松岡浩史先生。
このインタビューでは、松岡先生に資格取得のための効率的な勉強法と、ビル管理試験受験対策のポイントをお伺いしました。
松岡浩史先生プロフィール
1940年生まれ、熊本県八代市出身。東京商船大学卒業後、海上勤務(船舶機関士、機関長)を定年退職後、ビルメンテナンス会社に再就職、大学のキャンパス管理などを経て、各種資格の受験対策セミナー講師に従事
国内フェリーの機関士を務めていた35歳の時に「特級ボイラー技士」の受験を志しました。
1級海技士(機関)免許を持っていたので受験資格をすでに満たしていたことと、「一流のエンジニアになるために難関資格に挑戦しよう!」と思ったことがきっかけです。
当時の特級ボイラー技士の合格率は、確か10%未満だったと思います。難関資格だったこともあり、チャレンジしては不合格の連続で、合格したのは5度目の受験となった40歳の時でした。
注:海技士(機関)とは、船舶内に限り、ボイラー技士や冷凍機機械責任者、電気主任技術者、電気工事士、消防設備士、危険物取扱者、ビル管理士、エネルギー管理士などほぼすべての設備管理分野の資格を独占的に担当できる資格で、1級海技士(機関)はその最高ランク。
やはり、最初に決意したことをやり遂げたかったというのが一番のモチベーションでした。
40代前半で機関長へ昇進しましたが、船長や機関長は定められた勤務時間というものはなく、出港と入港時、およびエンジントラブルなどの事故が発生した際の陣頭指揮などが主な業務なので、常時忙しいわけではありません。また、海上勤務のローテーションも3週間連続勤務の後、2週間休みになるなど勉強しようと思えば時間はありました。今思えば国内フェリーでの勤務が一番楽しかったですね。笑
まず初めに参考書の内容に目を通し、出題されそうだなと思う箇所にマーカーを引きます。次に参考書を一通り読み終わった後に、マーカーを引いた部分を別のノートに書き写します。こうして作った「サブノート」をポケットに入れて、いつでも取り出して勉強できるようにしていました。
机に向かって分厚い参考書を開き、「勉強しよう!」という気持ちを作ることは非常に難しいですが、ポケットサイズのノートなら、気が向いた時に取り出してすぐに勉強を始めることができますよ。
そうですね。あと、この勉強法を実践していると、なんとなく実際の試験で出題されそうな部分がわかるようになりました。マーカーを引いたり、抜書きをしたりする作業をする中で、体が覚えてしまうのかもしれません。
はい。その後もエネルギー管理士(熱分野)、電験三種など合計40あまりの資格を取得したのですが、すべてこの方法で勉強しました。最盛期は1年間で11の資格を取得しましたね。
そういえば、電験三種を受験した時には、購読していた月刊誌「新電気」からサブノートを作った記憶があります。
勉強時間は決めておらず、毎日少しでもいいから学習することを心がけていました。平日はサブノートをポケットに入れて、通勤途中の電車などで勉強したり、試験直前期は休日を利用して1日7~8時間くらい勉強したりしていました。
実務を2年経験した後、半年間勉強して試験に合格したのですが、船舶での業務と重複する部分もあったので試験勉強はそこまで難しいとは思いませんでした。最初に挑戦した資格(特級ボイラー技士)で非常に苦戦したので、その後に受験した資格試験ではあまり苦労を感じなかったのかもしれません。
受験に失敗すると「これまでの勉強が無駄になってしまった」とマイナスに捉えてしまいがちですが、一生懸命努力した経験は、今後自分が成長するための「肥し」になります。私の場合は、特級ボイラー技士資格への挑戦が、よい「肥し」になったのだと思います。
私の場合は、生涯現役で活動できていることでしょうか。ビル管理の業務は58歳から始めましたし、その後70歳くらいから講師の声がかかるようになり、現在も様々な講習会などで講師を務めさせていただいています。さらに、オーム社からも「ビル管理士」や「消防設備士」に関する受験参考書を執筆する機会をいただきました。
このテキストでは、私のこれまでの経験から過去に必ず出題された分野を厳選し、エッセンスを絞り込んで解説をしています。
収録されている単元には、過去の出題頻度に応じて鉛筆マークをつけていますが、これからも出題される可能性が極めて高い鉛筆マーク「4本」のところはぜひ学習していただき、試験合格を勝ち取ってください。
本日はありがとうございました。
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