2025年(令和7年)のITストラテジスト試験日はいつ?受験資格と試験の概要を紹介

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ITストラテジスト試験とは、高度情報処理技術者試験の一つであり、情報処理技術者試験のスキルレベル4に相当します。

この試験は、DXの必要性が叫ばれる昨今においてIT分野での高度な知識とスキルを持つことを証明するものであり、合格することで「経営とITを結びつける戦略家」としての地位を確立することができます。

この記事では、ITストラテジスト試験の日程と、受験方法について解説します。

※この記事は、オーム社発行書籍「ITストラテジスト 究極の合格ルール」の内容をもとに作成しています。

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ITストラテジストとは

ITストラテジストとは、情報処理推進機構(IPA)が実施する試験区分の中で、高度情報処理技術者試験に位置づけられる資格です。

引用元:IPA(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html

ITストラテジストの対象者像・役割と業務

IPAのサイトには、ITストラテジストの対象者像が以下のように示されています。

1.対象者像
高度IT人材として確立した専門分野を持ち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。

引用元:IPA(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

そして、ITストラテジストの役割は『自ら手を動かして開発に関わる』立場ではなく、いわゆる超上流と呼ばれるような「経営とITを結びつける戦略家」「製品・サービスの創出を企画・推進してビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタント」です。

2.業務と役割
ITを活用した事業革新、業務改革、革新的製品・サービス開発を企画・推進又は支援する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

  • 業種ごとの事業特性を踏まえて、経営戦略の実現に向けたITを活用した事業戦略を策定し、実施結果を評価する。
  • 業種ごとの事業特性を踏まえて、事業戦略の実現に向けた情報システム戦略と全体システム化計画を策定し、実施結果を評価する。
  • 情報システム戦略の実現に向けて、個別システム化構想・計画を策定し、実施結果を評価する。
  • 情報システム戦略の実現に向けて、事業ごとの前提や制約を考慮して、複数の個別案件からなる改革プログラムの実行を管理する。
引用元:IPA(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

IT未経験の方が、具体的にITストラテジストの業務をイメージするためにはIPAのサイトにある以下のテキストが役立つでしょう。

3.期待する技術水準
事業企画、業務改革推進、情報化企画、製品・サービス企画などの部門において、ITを活用した基本戦略の策定・提案・推進を遂行するため、次の知識・実践能力が要求される。

  • 事業環境分析、IT動向分析、ビジネスモデル策定への助言を行い、事業戦略を策定できる。また、事業戦略の達成度を評価し、経営者にフィードバックできる。
  • 対象となる事業・業務環境の調査・分析を行い、情報システム戦略や全体システム化計画を策定できる。また、情報システム戦略や全体システム化計画を評価できる。
  • 対象となる事業・業務環境の調査・分析を行い、全体システム化計画に基づいて個別システム化構想・計画を策定し、適切な個別システムを調達できる。また、システム化構想・計画の実施結果を評価できる。
  • 情報システム戦略や改革プログラム実施の前提条件を理解し、情報システム戦略実現のモニタリングとコントロールができる。また、情報セキュリティリスクや情報システム戦略実現上のリスクについて、原因分析、対策策定、対策の実施などができる。
引用元:IPA(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

つまり、ITストラテジストには以下のような役割が期待されていると言えます。

  • 事業特性→経営戦略→ITを活用した事業戦略→結果評価
  • 事業特性→事業戦略→情報システム戦略・全体計画→結果評価
  • 情報システム戦略→個別システム化構想・計画→結果評価
  • 情報システム戦略→前提や制約を考慮し複数の案件からなる改革実行管理

試験の難易度

それでは、実際にITストラテジスト試験の難易度はどれくらいなのでしょうか。

ITストラテジスト試験の過去4年間の受験者数、合格数と合格率は、以下のとおりです。いずれの年度も合格率が10%台ということから、ITストラテジスト試験が非常に難関であることがわかります。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年度春期5,327人842人15.8%
令和5年度春期4,972人769人15.5%
令和4年度春期4,450人660人14.8%
令和3年度春期3,783人579人15.3%

次に、その他の高度試験と比較してみましょう。

高度情報処理技術者試験
(令和6年度 春期試験)
応募者受験者合格者合格率合格者
平均年齢
ITストラテジスト試験7,486人5,327人842人15.8%40.1歳
システムアーキテクト試験5,696人3,666人549人15.0%36.3歳
ネットワークスペシャリスト試験16,085人11,089人1,704人15.4%33.7歳
ITサービスマネージャ試験2,879人2,000人300人15.0%41.5歳

ITストラテジスト試験の合格者の平均年齢は40.1歳であり、他の試験と比べてもやや高い傾向があります。

試験形式

ITストラテジスト試験は、PBT(Paper Based Testing)方式により実施されます。

PBT方式とは、筆記により実施される試験のことです。

試験実施日

ITストラテジスト試験は、2025年(令和7年)4月20日(日)に実施される予定です。

試験の申込受付期間は令和7年1月中旬~2月上旬となる予定です。

引用元:IPA(https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/schedule.html

※詳細はIPAのウェブサイト(https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/schedule.html)からご確認ください。

また、他の高度試験は秋季も受験できますが、ITストラテジスト試験は年1回、春季のみ実施となることに注意しましょう。

受験手数料

ITストラテジスト試験の受験料は7,500円(税込)です。

出題形式と出題数

ITストラテジスト試験は、4つの区分に分かれており、すべての区分で合格点を取らなければいけません。

試験区分試験時間出題形式出題数/解答数問題別配点満点/合格点
午前Ⅰ(9:30~10:20)50分四肢択一30問/30問各3もしくは4点100点/60点
午前Ⅱ(10:50~11:30)40分四肢択一25問/25問各4点100点/60点
午後Ⅰ(12:30~14:00)90分記述式3問/2問各50点100点/60点
午後Ⅱ(14:30~16:30)120分論述式2問/1問公表なしAランク評価のみ

午前Ⅰから午後Ⅰまでは6割の得点が必要ですが、途中で基準を満たせなかった場合、以降の試験は採点されません。

また、午前Ⅰ試験のみ基準点を満たすと以後2年間は試験が免除される制度がありますが、それ以外の区分には試験を免除される制度はありません。

試験の内容

ITストラテジスト試験の4つの区分では、どのような内容の問題が出題されるのでしょうか。ここからは、試験区分ごとの出題形式と内容について解説します。

午前Ⅰ試験

午前Ⅰ試験は、四肢択一式で30問出題されます。

出題される内容は、高度試験(例:プロダクトマネージャなど)と共通のものです。問題の一部が、応用情報技術者試験(AP)の過去問から選ばれているのも特徴的といえます。情報処理試験を他の区分から受け続けている人であれば、あまり力を入れて対策しなくても通過できるでしょう。

ただし、IT未経験の方がいきなり受験すると、苦戦する可能性が高くなります。その場合は、応用情報技術者のテキストなどでの学習が有効でしょう。

出題は過去問が中心で、まったく同じ問題と選択肢がそのまま何度も出題されることもあります。そのため、解けなかった問題はそのまま解答選択肢を覚えてしまうのも試験合格のポイントになります。

午前Ⅱ試験

午前Ⅱ試験は四肢択一式で、25問が出題されます。出題範囲について、以下の6つが重点出題分野となっています。

  • 「システム戦略」
  • 「システム企画」
  • 「経営戦略マネジメント」
  • 「ビジネスインダストリ」
  • 「企業活動」
  • 「セキュリティ」

実際には「経営戦略マネジメント」から25問中10問ほど出題されるので、経営戦略マネジメント分野をしっかりと学んでいれば、合格基準を満たせる可能性が高いといえるでしょう。

午後Ⅰ試験

記述式で、3問中2問を選択する形式です。この試験では、問題と設問の指示に従い、キーワード1つ程度の短いものから、数十文字程度までの解答を手書きで解答します。文字数指定のある問題は、10~70文字の範囲内で解答することが求められます。

1問あたりのボリュームは4~5ページ程度で、問題文と設問から構成されます。1問につき設問が3~4つあり、さらに設問ごとに小問が数個用意されています。

試験時間は90分ですが、記述式であるため、時間との戦いになります。1つの設問を10~15分で解くことが求められるため、試験本番では常に時間を気にしながら解答するようにしましょう。

午後Ⅱ試験

論述式で2問のうち1問を選択する形式です。1問あたり半ページ強の問題文と設問から構成され、設問は3つあります。
論述する問題が決まったら、いきなり論述するのではなくまず質問書に回答をします。質問書は2ページにわたるアンケート形式になっており、以下の事項などを記述します。

  • 論述の対象とする構想
  • 計画策定
  • システム開発

そして、質問書への記入が終わったら問題文から論文の骨子を考え、設問ア・イ・ウに答えていきます。各設問の内容は以下のとおりです。

  • 設問ア 概要や背景を800字以内で論述
  • 設問イ 具体的な内容を800字以上1,600字以内で論述
  • 設問ウ 検討事項や評価改善などの内容を600字以上、1200字以内で論述

この午後Ⅱ試験では、2時間の制限時間内で2,000文字以上の論述を書き上げなければならないため、ITストラテジスト試験の中で最も対策が必要

ITストラテジスト試験対策はオーム社オンラインスクールの講座がおススメ!

この記事では、ITストラテジスト試験の内容と難易度について解説しました。難易度が非常に高い試験であることや、択一式や記述式など様々な形式で解答をしなければいけないため、書籍や動画教材を活用して効率的に学習をすすめる方法がおススメです。

オーム社オンラインスクールでは、新講座「ITストラテジスト合格ゼミ(午前Ⅰ試験 免除者向けプラン)」を2024年12月2日より販売開始します。

講師はIT関連企業で1,000社以上の中小企業の業務改善に従事し、情報処理安全確保支援士、システム監査技術者、ITストラテジストなどのIT関連資格も幅広く保有する林雄次先生、テキストには好評発売中の書籍「ITストラテジスト 究極の合格ルール」を使用しています。

講座では「ITストラテジスト試験に最短で合格するため、細かな技術的な解説をなるべく割愛し、初学者の方でも合格ラインを目指すことができる」という書籍のコンセプトはそのままに、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの攻略ポイントと過去問の解き方を丁寧に解説しています。

特に、試験の勝負どころである午後Ⅱ対策は、

  • 問題文の趣旨に沿って受験者の経験や考えを表現しよう
  • 論述は「組み立て⇒肉付け⇒書く」の順番で攻略しよう

など、資格試験対策のエキスパートである林先生が持つテクニックを惜しみなく披露。本講座を受講すれば、120分で2,000字以上の論文を書く力を最短で身に付けることができるはずです。

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