令和5年度電験三種上期筆記試験日まで残りわずかとなりました(記事作成時点)。試験直前期に自身の弱点を洗い出し、効率的に学習をすすめることが合否を分ける重要な鍵となります。
この記事では、オーム社オンラインスクール講座「基礎力養成コース 電験三種」シリーズを担当する山下明先生の、試験直前期にオススメの勉強法をご紹介します。
試験直前期は「新しいことに手を出さないほうがよい」
試験まであと1ヶ月を切り、受験生のみなさんにとって心休まる暇が無い時期となりました。
受験生のみなさんの中には、これまでに模擬試験、あるいは模擬問題集に取り組まれ、惜しくも「あと2、3問取れたら合格判定だった」という人もいるかもしれません。
もう少しで試験合格できそう…というみなさんにとって、試験直前のこの期間に何に取り組むかが、試験合格と不合格の分かれ目になるのです。しかし、「新しい分野の勉強」にこの期間を充てることは得策ではありません。
私自身が電験三種試験を受験した経験と(詳細は別記事を参照)、これまで様々な講習会で講義を行ってきた経験から「今から新しいことに手を出しても、試験本番で実力を発揮することは難しい」と感じています。
なぜなら、電験三種の試験範囲は、非常に広範囲だからです。中学・高校の定期試験であれば試験範囲が限定されており(場合によっては担任の先生がこっそりヤマをかけるべき場所を教えてくれるかもしれません)、直前期に徹夜で勉強すればテストの点数はある程度上がります。しかし、電験三種試験はテキストの分厚さを見ても分かるとおり、付け焼き刃の知識で何とかなるものではありません。電験三種試験を一夜漬けで合格することは、非常に難しいのです。
試験本番で実力を発揮するためには「参考書・テキストを繰り返し復習」
そこで、試験直前期は「これまで学習した内容を復習し、試験本番で実力を発揮するための訓練」に特化することをおすすめします。
私がおすすめする勉強方法は以下の3点です。
山下先生おすすめの勉強法3ステップ
- これまでの勉強で使用した参考書の内容を復習する
- 解けなかった問題、忘れていた公式などを別の用紙に書き出す
- 1~2の作業を3回繰り返す
まず、1についてですが、これまで皆さんが使用してきた参考書・テキストをもう一度最初から復習してみましょう。科目数にもよりますが、1周目は全力でやれば1週間程度で終わるはずです。
テキストを3回復習するのことは難しいと思われるかもしれません。しかし、2周目は1周目で解けなかった問題や忘れていた部分のみ復習、3周目はさらに繰り返しとなるため、意外と早く終わりますよ。
2のステップでは、書き出す用紙はノートでもメモ帳でも構いません。勉強の中で覚えきれなかったことをひたすら書き出してください。
書き出した用紙はあなたにとって世界で一番必要な情報がまとめられた「虎の巻」になっています。試験当日も、直前の休憩時間まで役立つ一冊になるでしょう。
実力不足を感じていても「最後まで諦めない」
今まで勉強したけれど模擬試験で得点できず、実力不足を痛感しているみなさんも、諦めてはいけません。電験三種試験の学習理解度は指数関数的に向上するものです。試験直前期に集中して学習に取り組むことで、自身でも驚くほど得点力がアップする可能性があります。最後まで諦めず、試験合格を目指して頑張りましょう!
試験の最直前期は「体調管理を最優先」
ここまで主に勉強法と心構えを紹介しましたが、試験直前の一週間はぜひ、体調管理に気をつけて過ごしてください。
気を張っていても体調を崩す可能性もありますし、社会人のみなさんは急な案件が入って勉強する時間が取れなくなかもしれません。このような突発的なリスクを計算に入れつつ、学習のスケジュールを組んでみましょう。
山下 明(やました あきら)
1991年大阪府出身。高校在学中に電験三種試験に合格。大阪市立大学工学部(電子・物理工学科)在学中に、工業高校で使用される「電気基礎」の教科書を発行。現在は「やさしく語る電気のイメージ 電気機器の入門講座」を連載中。茶道を嗜んでいることもあり、和服が定番スタイル。
山下先生のその他の記事は以下のリンクからご覧いただけます。
オーム社オンラインスクールでは、資格取得に役立つ動画を配信中!
販売中の講座一覧
学習コンテンツ配信サービス
オーム社
オンラインスクール
理工学関係の書籍および雑誌を発行する株式会社オーム社が運営する、eラーニングコンテンツ配信サービスです。これまでに発行した書籍をもとにした、オリジナルの講義動画をインターネットで配信。資格試験対策・スキルアップなど、受講者の学びをサポートします。